離婚の手続
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A. 協議離婚
日本の民法では、「夫婦はその協議で離婚することができる」と定められ、夫婦が合意し、それを書面で提出すれば離婚は法的に成立します。 離婚の90%近くが協議離婚です。手続が簡単であり、夫婦の対等で自由意思による離婚です。
平成24年から協議離婚の際に夫婦が取り決める事項として面会交流及び養育費の分担などが明文化され、 離婚届にも協議の有無についてチェック欄が設けられました。
しかし、一方で、十分な協議や取り決めなしでも離婚できるため、なかには離婚を急ぐあまり、離婚後の子どもの養育環境について、十分な話し合いができていない場合もあるようです。 -
B. 調停離婚
家庭裁判所の調停によるもので、離婚全体の10%前後です。 調停調書には、子の親権者だけでなく、養育費、財産分与などの支払義務と支払い方法、離れて暮らす親との親子交流についてその実施の仕方などが明記されます。 きちんと履行されないときは、家庭裁判所へ履行勧告を申し出ることができ、場合によっては、地方裁判所へ強制執行を申し立て、 給料や資産を差し押さえることができます。
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C. 裁判離婚
調停でも話がまとまらないときは、裁判によることになります。 これが、離婚全体の1%程度です。
この他、審判離婚、和解離婚、認諾離婚などがあります。
離婚において
取り決めること
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A. 親権者
親権は、親が子を監護養育する権利と義務であり、その中身は、身上監護権と財産管理権とされており、婚姻中は父母が共同で行使します。離婚後は、父母の一方が親権者となります。 未成年の子がいる夫婦の離婚では、離婚届出の際、子の親権者を決めて提出する必要があります。 また、養育費及び面会交流についても取り決めておかなくてはいけません。
いずれの親と暮らすのが子の福祉に適うのか、父母が子の福祉の視点に立ってしっかりと話し合いをする必要があります。
協議で決められない場合は、家庭裁判所の調停で話し合い、それでも決まらないときは、離婚訴訟によることになります。 -
B. 養育費
養育費は、経済的、社会的に自立していない子(未成熟の子といいます。)を養育する費用です。 親に余力がなくても、子に親自身と同等の生活を保障しなければならない強い義務で、離婚後の子どもの生活の基盤です。
養育費の決め方、算定方法等については、「養育費のこと」をご覧ください。 -
C. 親子交流
離婚後あるいは別居中に、離れて暮らす親子が面会したり、連絡しあったりすることを「親子交流」といいます。
両親は離婚して他人になっても、親子の関係は変わりません。子どもの福祉を害しない限り親子交流を実施することが子どもの健康な発達を促すと考えられています。 子どもは、表面上はともかく心の底では両方の親から愛されたいと願っているからです。 養育費が離れて暮らす子への経済的支援だとすれば、親子交流は、精神的支援であり、いずれも親と子の絆を強めるものです。
親子交流が円滑に行われるために、父母は十分に子の利益が図られるようお互いに協力する必要があります。 このため、父母は離婚協議の中で、双方が納得できる内容や方法についてよく話し合うことが大切です。▶︎ 【参考】家庭問題情報誌「ふぁみりお」第34号「面会交流を上手に」
▶︎ 【参考】家庭問題情報誌「ふぁみりお」第37号「お父さんへの応援歌」
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D. 財産分与
離婚するとき、夫婦が協力して得た財産の清算です。婚姻前から所有していた財産や相続財産は含みませんが、 婚姻中に得た財産については、名義が夫であっても、妻の協力によって形成されたものと考えられますから、 離婚の際には清算するのが公平といえるでしょう。
なお、財産分与は、離婚後2年を経過すると請求できなくなります。 また、借金などマイナスの財産も分与の対象ですから、注意が必要です。 -
E. 慰謝料
夫婦の一方の有責行為(不法行為)のため、離婚することになった場合には、慰謝料を請求できる場合があります。 ただ、有責行為については、双方の主張が食い違うことが多く、裁判で争うことも少なくありません。 なお、離婚後3年を経過すると請求できなくなります。
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F. 年金分割
平成19年4月1日以降に離婚した夫婦は、夫婦の合意や家庭裁判所の決定で分割割合(1/2以内)を決めることができます。
なお、離婚後2年を経過すると請求はできなくなります。
ただ、年金制度自体も複雑で難解です。 単純に年金の半額をもらえるということにはならないので注意が必要です。 社会保険庁や共済組合が情報提供に応じていますので、活用してください。
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